婚活の科学

愛と結婚について学問の対象となったのは20世紀に入ってからですが、1987年ニューヨーク大学神経科学センターが設立され最新鋭の設備と分子生物学や神経性仏学、神経解剖学など幅広い手法を用いて脳の仕組みの解明に取り組み始めると愛について科学のメスが入ることになります。その中心人物である人類学者のヘレン・フィッシャー博士は男女の進化について研究していました。1992年にfMRI(機能的時期共鳴画像法)が開発され脳の活動が画像化されると恋愛している脳の状態が明らかになると同時に男女の脳に根本的な違いが明らかになりました。また、その年、心理学者のジョン・ゴットマンは愛について初めて方程式を使って説明しました。

一方、日本で結婚活動を略した「婚活」という言葉は2007年に社会学者山田昌弘が提唱し、『「婚活」時代』が出版され世に広まりました。しかし、未婚の男女についての統計情報は収集され続けてきたものの、婚活に対して科学的に考え、その達成手段についての研究が科学的に進むことはほとんどありませんでした。

そこで、ここでは、婚活の成功法則について科学的に追求し明らかにしていきたいと思います。

1.間違いだらけの結婚活動

1)なぜ婚活が上手くいかないのか

意外なことに、婚活は実は正しい方法で行えばほぼ間違いなく成功するのです。では、婚活が成功する人と思ったように上手くいかない人との違いは何なのか。私たちは科学的な証拠を元に様々な角度から検証しました。

そもそも婚活について、あなたはこのように思っていませんか。

婚活=運命の相手を探すこと

果たしてこの定義はあっているのでしょうか。

2)運命の相手に出会う数学的確率

運命の相手に出会う確率は数学的に計算できます。そして、様々な人が様々な条件で計算してきました。

・1/10,000  完璧な異性と出会える確率(一万回の生涯で1回) 

(元NASAラングレー研究所のロボットエンジニア、ランドール・マンロー)

ちなみに交際可能な女性で近くに住んでいて適正な年齢で、大卒で気が合いそうで魅力的で自分を気に入ってくれる人という条件で計算した場合
(イギリスのウォーリック大学ピーター・バックス氏)

・1/285,000

3)出会った人の中で最適な人を見つける方法

最適停止問題(特定の行動をとる最適なタイミングを選択決定する数学の問題)

15歳で初めてデートして35歳までに結婚したいとしたら、最初の37%までの人はプロポーズを断り、次に出会った人よりも素敵な人を選びます。(最初の37%に最高の人が入っていたら最高には出会えないが根拠がないよりは確実)

もう少し確実な方法は一生の間にデートできる回数をおおざっぱ予想する(例えば100人)。平方根を求め(10人)、その人数目までの交際相手をお断りする。そして、婚活を継続し、最初に断った人の中(10人)で一番良かった人よりいいと思える人に出会えたら最適な結婚相手といえる。この方法なら出会った人の中から90%の確率で最適な相手を見つけられる。

(Things to Make and Do in the Fourth Dimension by Matt Parker)

しかし、これはあくまで出会った人の中から一番良い相手を選ぶ方法です。

理想の相手に出会うこととは全く違います。

ここに婚活の難しさが潜んでいます。

では、婚活とはそもそもどのような基準で行い、出会うべき結婚相手とはどんな人なのか。

また、そもそも結婚とは何なのか。これが分かれば成功する婚活の秘密が分かります。

[次回へ続く]